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公開日:2026年6月11日 | 最終更新日:2026年6月11日
・高度専門職1号は転職時に「在留資格変更許可申請」が必要
・技人国ビザのような「転職後14日以内の届出だけ」では転職できない
・転職先でも70点以上のポイントと年収要件を維持する必要がある
・高度専門職から技人国へ変更する場合は、家族の在留資格への影響にも注意
「高度専門職1号で転職したいけれど、今の在留資格のままで大丈夫なのだろうか」 「技人国ビザのように、転職後に届出を出せば問題ないのでは?」 このような不安を抱えている方は少なくありません。
結論からいうと、高度専門職1号は「技術・人文知識・国際業務(以下、技人国ビザ)」と異なり、転職時には原則として、事前に「在留資格変更許可申請」が必要です。
技人国ビザでは一定の条件の下で転職後に届出を行うことで在留を継続できますが、高度専門職1号は「働く会社(所属機関)が指定される在留資格」であるため、たとえ全く同じ職種への転職であっても厳格な手続きが求められます。
この記事では、高度専門職の転職手続きや技人国ビザとの違い、不許可リスクについて体系的に解説します。
高度専門職1号の外国人が転職する場合、新しい勤務先で働き始める前に、必ず「在留資格変更許可申請」を行い、許可を得る必要があります。
高度専門職1号は、入管の審査を経て許可された際にパスポートへ貼付される「指定書」に、現在の勤務先名が特定して記載されています。そのため、 ・ 同じITエンジニア職への転職 ・ 同じ営業職への転職 ・ 同業他社への転職 であっても、指定書に記載された勤務先が変わる以上は、新たな会社でのポイント計算に基づく審査を改めて受けなければなりません。
入管から新しい許可を受ける前に新しい会社で就労を開始すると、不法就労(資格外活動違反)となってしまいます。転職活動を進める際は、入管の審査期間を考慮し、入社日から逆算して余裕を持って準備することが重要です。
技人国ビザは、「どのような専門業務を行うか」を中心に判断される在留資格であり、特定の企業に縛られるものではありません。そのため、在留期限が残っている状態で「ITエンジニアから別会社のITエンジニア」など、同じ活動範囲内での転職であれば、事前に変更申請を行う必要はありません。転職後14日以内に「所属(契約)機関に関する届出」を行い、次回の在留期間更新時に新しい会社での業務内容や雇用条件が審査されます。
一方、高度専門職1号は「特定の企業において高度外国人材として活動すること」を条件に優遇措置を与えられている在留資格です。そのため、「高度専門職1号で許可を受けた会社」と「実際に働く会社」が一致していることが絶対条件となります。
高度専門職はポイント制によって認定されています。転職すると「年収」はもちろん、「職務内容」や「転職先企業の属性(イノベーション促進支援措置対象企業や中小企業などの特別加算)」が変わる可能性があります。そのため、転職先の条件でも引き続き70点以上を維持しているか、入管が改めて審査を行う必要があります。
一般的な就労ビザの変更申請は1〜2ヶ月程度かかりますが、高度専門職の場合は出入国在留管理上の優遇措置として「入国・在留手続の優先処理」が適用されます。申請内容に疑義がない場合、在留資格変更許可申請は「申請受理から5日以内」を目途に処理されるよう努められています。
ただし、追加の疎明資料を求められる場合もあるため、採用企業側は1ヶ月程度の余裕を持った入社日を設定することが推奨されます。
「高度専門職2号」は、1号で3年以上活動した人がステップアップできる在留資格であり、在留期間が「無期限」となるほか、活動先の所属機関が指定されないという強力なメリットがあります。 そのため、高度専門職2号の方が転職する場合、1号のような「事前の在留資格変更許可申請」は不要です。ただし、手続きが一切不要というわけではなく、入管法に基づく「所属機関に関する届出(移籍の届出)」を事由発生から14日以内に行う義務があります。これを怠るとペナルティの対象となるため注意が必要です。
高度専門・技術活動(1号ロ)及び高度経営・管理活動(1号ハ)において、気をつけたいポイントが「年収」です。転職先の年収(基本報酬)が「300万円」を下回る場合、他のポイントの合計が70点を超えていても一律で不許可となります。また、この年収には不確実な「超過勤務手当(残業代)」を含めて計算することはできません。
前の会社が「イノベーション促進支援措置」を受けていたため10点が加算されていた場合など、転職先の企業属性によってはそのボーナスポイントが消滅します。本人の学歴や職歴ポイントだけで70点を維持できるか、申請前に厳格なシミュレーションが必要です。
高度専門職1号のまま、変更許可を得ずに転職先で就労を開始してしまうと、資格外活動違反(不法就労)となります。採用企業側も不法就労助長罪に問われる重大なコンプライアンス違反となるため、絶対に行ってはいけません。
| 項目 | 技人国ビザ | 高度専門職 |
|---|---|---|
| 審査基準 | 業務内容・学歴との関連性等 | 就労資格の要件 + ポイント制 |
| ポイント要件 | なし | 70点以上 |
| 年収要件 | 日本人と同等額以上 | 300万円以上の最低基準 + 日本人と同等額以上 |
| 転職時の手続き | 事前の変更申請不要(事後14日以内の届出) | 事前の変更申請が必須(許可前の就労不可) |
| 在留期間 | 5年、3年、1年、3月等 | 一律で「5年」が付与 |
| 永住への優遇 | 原則10年の在留歴が必要 | 3年または1年に短縮 |
| 家族帯同の優遇 | 家族滞在(週28時間以内の資格外活動) | 配偶者のフルタイム就労可(特定活動)、親・家事使用人の帯同可(条件あり) |
・ 転職先で年収が下がる(または残業代の比率が高い)
・ 転職先の企業規模(カテゴリー)が小さくなる
・ 永住申請を視野に入れており、在留履歴への影響が心配である
・ ポイントが70点を下回り、技人国ビザへの変更を余儀なくされそうである
転職後にポイント不足が発覚すると、在留資格の更新ができず帰国を迫られる可能性があります。埼玉県(川口市・戸田市・蕨市・さいたま市)を中心に、全国オンラインでのご相談にも対応しています。高度専門職の転職でお困りの場合は、まずは現在の在留資格と転職先の条件を整理し、専門家によるリスク診断を行うことをおすすめします。
【行政書士のアドバイス】
高度専門職1号の方が転職を検討する際、もし転職先でのポイント計算がどうしても70点に届かない場合、「技人国ビザ」へ在留資格を変更して転職するという選択肢があります。
しかし、実務上この選択をする際に絶対に忘れてはならないのが、「家族の在留資格(ビザ)への連鎖的な影響」です。
高度専門職の強力な優遇措置を利用して、「親(7歳未満の子の養育等)」や「家事使用人」を母国から呼び寄せて一緒に暮らしている場合、ご本人が高度専門職から「技人国ビザ」へ変更してしまうと、雇用主(扶養者)が高度人材ではなくなるため、親や家事使用人は日本に在留する根拠を失い、原則として帰国しなければならなくなります。(※なお、家事使用人については、変更後のビザが「経営・管理」または「法律・会計業務」であり、特定活動告示別表第2の要件を満たす場合に限り、引き続き在留が認められる例外措置が存在しますが、「技人国ビザ」へ変更した場合はこの例外は適用されません。)
また、配偶者が「高度専門職外国人の就労する配偶者」として特定活動によりフルタイム就労している場合、高度専門職から技術・人文知識・国際業務へ変更すると、その特定活動の前提が失われます。配偶者が独立した就労資格を取得できない場合は、家族滞在へ変更せざるを得ず、就労は資格外活動の週28時間以内に制限されます。その結果、世帯収入が大幅に減少する可能性があります。
「高度専門職の転職」は、ご本人のポイントだけでなく、ご家族の日本での生活基盤そのものを揺るがす可能性があります。転職活動を進める際は、ご自身のキャリアアップの条件と、現在の家族の在留状況を天秤にかけ、事前に専門家へ影響範囲を全て確認しておくことが最大の防衛策となります。
高度専門職1号は、技人国ビザとは異なり「所属機関が指定される」在留資格です。そのため、転職時には原則として事前の在留資格変更許可申請が必要になります。
特に注意したいポイントは次のとおりです。
・ 高度専門職1号は転職時に事前の変更申請が必要(許可前の就労は不法就労リスクあり)
・ 高度専門職2号は事前の変更申請は不要だが、14日以内の事後届出は必須
・ 転職先でもポイント70点以上と年収要件(確実な基本報酬で300万円以上)の維持が必要
・ 転職のしやすさ(自由度)を重視するなら、技人国ビザの方が適している場合もある
転職を予定している場合は、入社日が決まってから慌てるのではなく、早い段階で在留資格上のリスクを確認しておきましょう。
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