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公開日:2026年6月2日 | 最終更新日:2026年6月2日
【技人国ビザの可否判断4ステップ】
① 業務内容と時間割合を整理する
② 専門業務かどうかを確認する
③ 学歴・専攻と業務の関連性を確認する
④ 給与水準・業務量・会社の安定性を確認する
この4つを採用前に確認しておくことが、円滑な外国人採用とビザ申請につながります。
外国人材の採用では、面接での人柄や日本語力、職務適性だけで判断を進めてしまうと、後から在留資格の要件を満たしていないことが判明する場合があります。
特に技術・人文知識・国際業務では、企業側が予定している業務内容と、外国人本人の学歴・専攻内容との関連性が重要になります。内定を出してから確認するのではなく、採用選考の早い段階でビザ要件を確認しておくことが、安定した外国人雇用につながります。
この記事では、企業が実践すべき就労ビザ可否判断の4ステップと、採用段階で行うべき関連性チェックについて解説します。
内定を出す前、あるいは申請準備を開始する前の段階で、企業側が確認しておきたい実務上の4つの判断ステップを整理します。
まずは、当該外国人材が実際に行う予定の業務を細分化し、それぞれの業務が活動全体の中でどの程度の割合を占めるのかを整理します。
例えば、
・海外営業:60%
・翻訳・通訳:20%
・一般事務:20%
といったように、実際の勤務状況に近い形で、1日の業務内容や時間割合を可視化することが重要です。
入管の審査では、「在留期間中の活動を全体として捉えて判断する」という大原則が採られるため、「一定水準以上の専門的業務が活動全体の中で主たる活動(中心)となっているか」が最も重要な確認ポイントになります。
STEP 1で整理した業務内容について、学術上の素養を背景とする専門的知識や技術を必要とする活動に該当するかを確認します。
例えば、以下のような分野が代表例です。
・技術:
プログラミング、システム設計、建築設計、機械工学などの理系分野
・人文知識:
マーケティング、海外営業、経理、総務、企画開発などの文系・ビジネス分野
・国際業務:
翻訳・通訳、語学講師、広報、服飾・インテリアデザインなど、外国の文化に基盤を有する思考を必要とする分野
一方で、
・店舗での接客中心
・レストラン等での配膳業務
・倉庫内での仕分け作業
・工場でのライン作業
など、「反復訓練によって従事可能な単純作業」の割合が高い場合には、専門性が欠如しているとみなされ、不許可リスクが高くなります。
また、翻訳・通訳や外国人顧客対応等の「言語能力を用いる対人業務」に従事する場合は、原則としてCEFR B2相当(日本語能力試験N2以上等)の語学力が前提として求められます。
次に、外国人本人の専攻内容(大学等での履修科目)が、STEP 2で整理した業務とどのように関連しているかを確認します。
重要なのは、「なぜ、その人が学校で学んだ内容を、この業務で直接活用できるのか」を客観的・論理的に説明できることです。
・大学卒(本邦・海外)の場合
大学の教育機関としての性格を踏まえ、実務上、専攻科目と業務の関連性は比較的柔軟に(緩やかに)判断される傾向があります。
・日本の専門学校卒(専門士)の場合
実生活に必要な能力の育成という目的から、大卒とは異なり、原則として「専攻内容と実際の業務との間に相当程度の関連性(直接的な結びつき)」が厳格に求められます。
特に専門学校卒業者を採用する場合は、「なぜその専攻がこの業務に不可欠なのか」を、成績証明書の履修内容等も踏まえて詳細に説明・立証することが重要になります。
最後に、企業側の受入体制(上陸許可基準等への適合性)について客観的資料に基づいて確認します。
・適正な報酬額
当該業務に従事する日本人社員と比較して、同等額以上の給与水準となっているか。
・継続的な業務量
当該外国人にフルタイムで継続して担当させるだけの、十分な専門的業務量が社内に存在しているか。
・企業の安定性・継続性
直近の決算状況や事業実態から見て、事業が安定して継続的に雇用できる体制があるか。
特に実態が見えにくい中小企業や新設法人(カテゴリー3・4)では、「本当にその専門業務が継続的に存在するのか(実質的な単純労働要員ではないか)」という点が慎重に審査されます。
そのため、定型的な必須書類を提出するだけでなく、任意の「雇用理由書」等を用いて、これらの業務内容や組織体制、十分な業務量の存在を自ら積極的に整理・立証しておくことが実務上不可欠です。
【行政書士のアドバイス(審査をスムーズに通すための+α)】
実務上、企業様が外国人採用の場面で陥りやすい失敗の一つが、
「面接での人柄や日本語力を重視して内定を出した後に、ビザ要件(特にSTEP 3の『専攻内容との関連性』)を満たしていないことが判明する」
というケースです。
特に、日本の専門学校を卒業した留学生(専門士)を採用する場合には注意が必要です。
大学卒業者と比較すると、専門学校卒業者については、「学校で学んだ内容と、実際に従事する業務との関連性」が、より厳格に確認される傾向があります。
そのため、「日本語が上手だから」「人柄が良いから」という理由だけで採用判断を進めてしまうと、後のビザ申請段階で問題となる可能性があります。
こうしたリスクを避けるために実務上非常に重要なのが、
「採用選考の初期段階から、履修内容を確認すること」
です。
具体的には、履歴書だけでなく、
・成績証明書
・履修科目一覧
・卒業証明書
などを早い段階で提出してもらい、
「本人が学校で学んだ内容が、自社のどの業務と結び付くのか」
を事前に整理しておくことが重要になります。
さらに面接時には、
「この授業で学んだ知識を、当社のどの業務で活かせると思いますか?」
といった形で、本人自身の理解や認識を確認しておくと、後の申請資料との整合性も取りやすくなります。
このような確認を採用フローの中に組み込んでおくことで、
・内定後の不許可リスク
・業務内容とのミスマッチ
・雇用理由書作成時の説明不足
などを防ぎやすくなります。
特に事業実態や専門性が書面だけでは伝わりにくい中小企業や店舗型事業者では、「なぜその外国人を採用する必要があるのか」を具体的に説明することが重要になるため、採用段階から関連性を整理しておくことが、後の立証実務において大きな意味を持ちます。
この記事では、企業が外国人材を採用する際に確認しておきたい4つの判断ステップを整理しました。
技人国ビザでは、業務内容、専門性、学歴との関連性、報酬水準、企業の安定性などが総合的に確認されます。特に専門学校卒業者を採用する場合には、内定前の段階で履修内容と業務内容の関連性を確認しておくことが重要です。
次の記事では、実際の採用現場で起こりやすいケーススタディをもとに、許可・不許可の分かれ目や企業が見落としやすい不許可リスクについて解説します。
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