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永住許可

永住許可申請とは?
要件・審査ポイントを行政書士が解説

2026年10月1日改定「永住許可に関するガイドライン」反映

公開日:2026年5月15日 | 最終更新日:2026年10月6日

この記事のポイント

・永住許可は「素行・生計・国益」の3要件を確認

・税金・年金・健康保険料は、期限内の納付が重要

・世帯の収入状況や在留状況も審査対象

・2026年10月改定で、在留期間や制度理解の確認も重要に

はじめに|永住者の在留資格とは?

日本に長く住み、「これからも日本で安定した生活を送りたい」と考える方にとって、目標となるのが「永住者」の在留資格の取得です。

永住許可申請では、これまでの在留状況や生活状況、公的義務の履行状況など、さまざまな事項が確認されます。また、現在の在留資格や申請区分によって必要書類も異なります。

永住者として安定して日本で生活していくためにも、今のうちからどのような点を確認し、備えておくべきか整理していきましょう。

なお、2026年10月1日に「永住許可に関するガイドライン」が改定されました。改定後のガイドラインは、原則として2027年4月1日以降に申請された永住許可申請から適用されます。

ただし、収入に関する部分については、2026年10月1日から適用され、同日時点で審査中の案件のうち、2026年4月1日以降に申請されたものにも適用されます。

永住許可申請で重要な3つの要件

永住許可申請においては、法律上定められた以下の3つの要件を満たしているかが審査されます。

なお、日本人や永住者等の配偶者・子などについては、素行善良要件や独立生計要件の適用が除外される場合があります。

1. 素行善良要件

日本の法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることが求められます。

刑事処分を受けた場合のほか、日常生活や社会生活における法令違反なども、素行善良要件の判断に影響することがあります。

2. 独立生計要件

日常生活において公共の負担となるおそれがなく、保有する資産や技能などから、将来にわたって安定した生活が見込まれることが求められます。

申請人本人だけではなく、原則として申請人と生計を同じくする世帯を単位として、収入や資産、将来の生活の安定性などが判断されます。

なお、日本人や永住者等の配偶者・子など、独立生計要件への適合が求められない人についても、生活状況がまったく審査されないわけではありません。

申請人が属する世帯が現に公共の負担となっている場合や、そのおそれが現実的であり、そのような状況に至ったことについて特段の事情が認められない場合には、国益適合要件の判断において消極的に評価されることがあります。

3. 国益適合要件

永住が日本社会の利益になると認められるために、在留期間、公的義務の履行、現在の在留資格への適合状況など、複数の事情が確認されます。

主なポイントは次のとおりです。

・原則10年以上の継続在留

申請時点において、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが考慮されます。

この10年間のうち、就労資格または居住資格をもって、引き続き5年以上日本に在留していることも必要です。

なお、日本人・永住者等の配偶者、定住者、高度人材などについては、一定の条件を満たすことにより、この原則10年の在留期間が短縮される特例があります。

・公的義務の適正な履行・法令遵守

税金、公的年金、公的医療保険の保険料を適正に納付していることや、入管法上の届出義務を適正に履行していることなどが確認されます。

税金や社会保険料については、申請時点で未納がないことだけではなく、当初の納付期限内に履行してきたかも重要です。

・最長の在留期間

申請時点で現在持っている在留資格について、法令で定められている最長の在留期間をもって在留しているかが確認されます。

最長の在留期間は在留資格によって異なります。たとえば、「技術・人文知識・国際業務」など、多くの就労資格では最長の在留期間は5年です。

ただし、経過措置として、2027年3月31日までに申請された永住許可申請については、在留期間「3年」を有する場合でも、最長の在留期間をもって在留しているものとして取り扱われます。

また、2027年4月1日以降に申請する場合でも、次のすべてを満たす場合には、在留期間「3年」であっても最長の在留期間をもって在留しているものとして取り扱われます。

 ・2027年3月31日時点で在留期間「3年」を有していること

 ・2027年4月1日以降に行う初回の永住許可申請であること

 ・2027年4月1日から、その「3年」の在留期限までの間に、その永住許可申請について処分を受けること

・現在の在留資格の要件への適合

現在持っている在留資格について、その在留資格に定められた上陸許可基準等に引き続き適合しているかも確認されます。

ここでいう「上陸許可基準等」には、上陸基準省令に定められた基準のほか、該当する場合には特定活動告示や定住者告示に定められた要件も含まれます。

たとえば、「技術・人文知識・国際業務」で在留している場合には、同在留資格について定められた基準に適合していることが必要です。

・公共の負担とならないこと

通常の永住申請者については、独立生計要件に適合していると認められる場合、この点についても積極的に評価されます。

一方、独立生計要件への適合が求められない申請者についても、世帯が現に公共の負担となっている場合や、そのおそれが現実的であり、特段の事情が認められない場合には、消極的に評価されることがあります。

・日本の制度・ルール等への理解

日本の制度や生活上のルール等について理解しているかも、改定後のガイドラインでは永住審査の考慮要素とされています。

出入国在留管理庁長官が指定する方法により、「生活・就労ガイドブック」に記載されている事項を中心に、日本の制度・ルール等について一定水準以上の理解があるかを確認するとされています。

・その他

公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないことなど、その他の事情も考慮されます。

永住審査で一番大切な
「税金・年金・保険」のルール

永住許可は「単に日本に長く住んでいる」という事実だけで許可されるものではありません。

これまでの在留状況、世帯単位での生活の安定性、税金・年金・健康保険料の支払い状況なども審査されます。

特に、税金、公的年金、公的医療保険料などの公的義務を適正に履行しているかは、永住許可における重要な審査事項です。

「当初の納付期限遵守」が重要

税金、公的年金、公的医療保険料について、「最終的にすべて払っていれば良い」というわけではありません。

永住許可に関するガイドラインでは、申請時点で納税・納付済みであっても、当初の納税・納付期限内に履行されていない場合には、原則として消極的に評価するとされています。

そのため、申請時点で未納がない場合でも、過去に当初の納付期限を過ぎて支払った履歴がある場合には、原則として消極的に評価されます。

永住許可申請を検討するときは、未納がないかだけではなく、税金や社会保険料をそれぞれの期限内に納付してきたかについても事前に確認することが重要です。

令和6年改正入管法との関係

納税や年金、健康保険料の支払状況、および入管法上の届出義務の遵守は、これまでも「永住許可に関するガイドライン」において審査上確認されてきました。

令和6年の改正入管法では、国益適合要件において、公租公課の支払や入管法上の義務の遵守が法律上明確に規定されます。

改正法の施行日は2027年4月1日です。

出入国在留管理庁は、この改正について、新たな永住許可要件を追加したり、許可要件を厳格化したりするものではなく、従来の審査実務を法律上明確にするものと説明しています。

また、改正法施行後は、公租公課について支払義務を認識しながら故意に支払わない場合や、入管法上の一定の義務を正当な理由なく履行しない場合などには、永住者の在留資格の取消しが検討されることがあります。

もっとも、取消事由に該当した場合でも、一律に永住者の在留資格が取り消されるわけではありません。取消事由に至った経緯や、それまでの在留状況、今後の在留の意向などを踏まえて判断されます。

また、引き続き日本に在留することが適当でないと認められる場合を除き、法務大臣が職権で「永住者」以外の在留資格への変更を許可する仕組みも設けられています。

さらに、公租公課の不払いについて、病気や失業など本人に帰責性があるとは認めがたい事情によって、やむを得ず支払いができない場合には、永住者の在留資格の取消しは想定されていません。

ビザの種類で違う!
永住許可申請の必要書類

永住許可申請に必要な書類は、現在の在留資格や申請区分、原則10年在留に関する特例の該当状況などによって異なります。

たとえば、「技術・人文知識・国際業務」などの就労関係の在留資格から申請する場合と、「日本人の配偶者等」などの身分・地位に基づく在留資格から申請する場合とでは、提出する資料が異なります。

また、申請区分に応じて、住民税の課税・納税状況、公的年金や公的医療保険料の納付状況、収入や資産などを確認するための資料が求められます。

必要となる資料や確認対象となる期間は、申請区分によって異なります。

永住許可申請を検討する場合には、現在の在留状況や収入、公的義務の履行状況などをあらかじめ確認し、必要となる資料を早めに整理しておくことが重要です。

永住許可申請でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

監修者

行政書士事務所 Top Field

申請取次行政書士 上野文香

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