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技術・人文知識・国際業務(技人国)

高度専門職のポイント制度とは?
70点基準・永住優遇・企業加点を行政書士が解説

公開日:2026年6月11日 | 最終更新日:2026年6月11日

高度専門職のポイント制度が気になっていませんか? 

「高度専門職のポイントはどう計算するの?」 

「70点あれば必ず許可される?」

 「高度専門職になると永住申請は本当に有利になる?」 

このような疑問をお持ちの人事担当者様や外国人の方は少なくありません。 

高度専門職は、学歴や職歴、年収などをポイント化して評価する在留資格制度です。原則70点以上で「高度外国人材」として認定され、永住申請の要件緩和や在留期間5年の付与といった強力な優遇措置を受けられます。

一方で、自己計算で70点を超えていても、年収要件の認識不足や疎明資料(証明書)の不備によって不許可となるケースが多くあります。

 この記事では、高度専門職のポイント制度、70点基準、永住優遇、そして実務上非常に有効な「企業加点制度」まで、実務上の注意点を含めて体系的に解説します。 

技術・人文知識・国際業務(技人国ビザ)との制度上の違いについてはこちら

この記事のポイント

・高度専門職は原則70点以上で認定対象

・70点を超えていても、資料でしっかり立証することが重要

・70点で3年、80点で1年の永住特例が利用可能

・転職時は原則として在留資格変更申請が必要

・企業加点により10〜20点加算されるケースもある

高度専門職は70点あれば取得できる?
【結論:300万の壁と立証責任】

結論からいうと、高度専門職はポイント計算表で「70点以上」を有することが認定の大前提となります。 しかし、「70点を超えれば必ず許可される」という制度ではありません。 入管の審査では、まず前提として「通常の就労ビザ(技人国など)の許可要件を満たしているか」が確認され、その上でポイントが計算されます。 

また、実務上の最大の壁として、高度専門・技術分野等においては「年収300万円未満の場合は、他のポイントが何点あっても一律認定しない」という前提基準が存在します。 さらに、「何点になるか」だけでなく、「その点数を客観的な公的資料で証明できるか」が審査の鍵となります。

高度専門職のポイント制度とは
3つの活動類型と評価項目

高度専門職は、我が国の学術研究や経済の発展に寄与することが見込まれる外国人材を積極的に受け入れるための制度です。 申請人が行おうとする活動に応じて次の3つの類型に分けられ、それぞれ異なるポイント計算表を使用します。

・ 高度学術研究活動(1号イ):大学や研究機関などで研究・教育活動を行う方向け 

・ 高度専門・技術活動(1号ロ):企業でITエンジニアや機械設計、海外マーケティングなどの専門的・技術的業務に従事する方向け 

・ 高度経営・管理活動(1号ハ):会社経営者や事業管理者向け

評価対象となる主な項目は、「学歴」「職歴(実務経験)」「年収」「年齢」「日本語能力」「研究実績」「保有資格」等です。 例えば、修士号・博士号の取得者、長年の実務経験がある方、高年収の方、日本語能力試験N1・N2の取得者や日本の大学卒業者などは高得点を獲得しやすい傾向があります。 

なお実務上の注意点として、1号イと1号ロには「年齢」による加点(若いほど有利)がありますが、1号ハ(経営・管理)には「年齢加点」が設けられていないといった違いがあります。

実務のポイント!
ポイント計算で見落としやすい3つの注意点

高度専門職の申請では、ポイント計算表だけを見て自己判断するのは危険です。

実務では、ポイントそのものよりも「どのように立証するか」で苦労するケースが少なくありません。

特に次の3つのポイントには注意が必要です。

1. 最低年収300万円の基準

高度専門・技術活動(1号ロ)および高度経営・管理活動(1号ハ)では、年収見込額が300万円に達しない場合、学歴や職歴などで70点を超えていても高度外国人材として認定されません。

そのため、ポイント計算を行う前提として、まず年収要件を満たしているか確認することが重要です。

2. 残業代は年収に含められない

ポイント計算における年収には、基本給や賞与(ボーナス)は含まれます。

一方で、通勤手当などの実費弁償や、申請時点では不確実な超過勤務手当(残業代)は算定対象になりません。

「見込み残業代込みなら70点になる」と考えていたものの、実際にはポイント不足となるケースもあります。

年収の算定方法は事前に十分確認しておきましょう。

3. 疎明資料は戦略的に準備する

学歴であれば卒業証明書、職歴であれば在職証明書など、ポイントの根拠となる疎明資料の提出が必要です。

もっとも、実務上はポイント表に該当するすべての項目について証明資料を集めなければならないわけではありません。

例えば、学歴・職歴・年収など、立証しやすい項目だけで70点以上に到達するのであれば、その範囲で資料を整理した方が効率的な場合もあります。

高度専門職の申請では、「どの項目で加点を取るか」だけでなく、「どの項目なら確実に立証できるか」という視点も重要です。

高度専門職で受けられる
「7つの優遇措置」と永住特例

高度専門職の最大の魅力は、通常の就労ビザにはない強力な優遇措置です。

特に、「できるだけ早く永住権を取得したい」「家族と一緒に日本で安定して生活したい」と考えている方にとって、大きなメリットがあります。

主な優遇措置は次のとおりです。

優遇措置 内容
複合的な在留活動の許容 例:会社勤務をしながら関連会社の経営等が可能
在留期間5年 法律上の最長期間が一律で付与される
永住許可要件の緩和

70点なら3年、80点なら1年で永住申請可能

配偶者の就労 学歴・職歴要件なしでフルタイムの専門的就労が可能(特定活動)
親の帯同 世帯年収800万円以上など一定条件の下で可能
家事使用人の帯同 世帯年収1,000万円以上など一定条件の下で可能
入管手続の優先処理 認定は10日以内、変更・更新は5日以内を目処に優先審査

中でも注目されるのが、永住許可申請に関する特例です。

通常、就労系の在留資格で永住許可を申請する場合は、原則として10年以上の在留歴が必要です。しかし、高度専門職として認定された場合は、ポイントに応じて永住申請までの期間が大幅に短縮されます。

70点以上:3年で永住申請可能

80点以上:1年で永住申請可能

そのため、日本で長期的なキャリア形成を考えている外国人材にとって、高度専門職は永住への最短ルートとなる可能性があります。

また、配偶者の就労や親の帯同など、家族に関する優遇措置も充実しています。単に「働くための在留資格」ではなく、日本で生活基盤を築くための制度として活用できる点が、高度専門職の大きな特徴といえるでしょう。 

転職時の注意点
「指定書の縛り」と「事前の変更申請」 

転職を予定している方は特に注意が必要です。技人国ビザとは異なり、高度専門職1号はパスポートの指定書に「特定の勤務先」が記載される仕組みになっています。

 そのため、勤務先が変わる場合には、たとえ同じ職種であっても原則として事前に「在留資格変更許可申請」が必要になります。 「仕事内容は変わらないから入社後に届け出ればよい」と考えて手続きを行わずに新しい会社で働き始めると、不法就労(資格外活動違反)となってしまいます。また、新しい勤務先の条件(年収や企業属性)で改めてポイント計算を行い、70点以上を維持できているか審査を受ける必要があります。 

企業担当者必見!高度専門職の
ポイントを引き上げる「企業加点制度」とは

企業の人事担当者様から、

「本人の学歴や職歴だけでは65点程度にしかならず、高度専門職は難しいのではないか」

というご相談を受けることがあります。

しかし実務では、採用する外国人本人の経歴だけでポイント計算を行い、企業側の加点制度を見落としているケースも少なくありません。

高度専門職制度には、一定の要件を満たす受入企業に対する特別加算が設けられています。

例えば、出入国在留管理庁が定める「イノベーション促進支援措置」の対象企業に就職する場合は【10点】の加点が認められます。

さらに、その企業が中小企業である場合には追加で【10点】、中小企業でなくても試験研究費等比率が3%を超える企業については【5点】が加算される場合があります。

このように、企業側の属性だけで10〜20点程度の加点が認められるケースもあるため、本人だけでは65点前後であっても、高度専門職の基準である70点を超えられる可能性があります。

特に研究開発型企業や成長分野の企業では、思わぬ加点要素が見つかることもあります。

そのため、外国人採用を検討している企業は、候補者の学歴や職歴だけで判断するのではなく、自社が高度専門職の特別加算対象企業に該当しないかを事前に確認することが重要です。

また、近年は高度専門職ポイント制度とは別に、「特別高度人材制度(J-Skip)」も導入されています。

J-Skipは、一定の学歴・職歴・高年収要件を満たす外国人を対象とした制度で、ポイント計算を行わなくても高度人材としての優遇措置を受けられる仕組みです。

年収2,000万円以上などの高い要件はありますが、グローバル人材の採用を進める企業にとっては、高度専門職制度とあわせて確認しておきたい制度といえるでしょう。

【行政書士のアドバイス】見落とされやすい「20点加算」の活用

企業担当者様が企業加点(特別加算)を利用して高度人材を採用する際、実務上見落とされやすいのが、「イノベーション促進支援措置の対象企業」と「中小企業加点」を組み合わせた加点制度です。

高度専門職のポイント計算表では、就職先が法務大臣告示によるイノベーション促進支援措置の対象企業である場合、特別加算として10点が付与されます。

さらに、その企業が中小企業基本法に規定する中小企業者に該当する場合は、追加で10点が上乗せ加算され、合計【20点】もの巨大なボーナスポイントを獲得できます。

その結果、企業側の要件だけで合計20点の加点が認められるケースもあります。

例えば、外国人本人のポイントが55点程度であっても、

学歴

年齢

年収

日本語能力

などの基本項目に加えて企業加点を活用することで、高度専門職の基準である70点を超えることがあります。

実務では、候補者本人の学歴や職歴ばかりに注目し、自社の加点要件を確認していないケースも少なくありません。

特に中小企業の中には、過去に受給した補助金や認定制度が高度専門職の特別加算に該当する可能性があります。

高度人材の採用を検討している企業は、採用活動を始める前に、自社が特別加算の対象となるかを確認しておくことをおすすめします。

まとめ

高度専門職は、原則70点以上で認定対象となり、永住申請の超特急ルート(1年・3年)や在留期間5年などの絶大な優遇措置を受けられる制度です。 

一方で、年収300万円未満の足切りルールや残業代の除外、転職時の事前の変更申請義務など、実務上の厳格なルールが存在します。 

特に永住を視野に入れている方や、高度人材の採用を検討している企業担当者の方は、早い段階で確実なポイント計算と疎明資料の確認を行うことをお勧めします。

監修者

行政書士事務所 Top Field

申請取次行政書士 上野文香

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