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永住許可

永住者になると何が変わる?
メリットと要件と行政書士が解説

公開日:2026年5月15日 | 最終更新日:2026年5月15日

この記事のポイント

・永住者になると、在留期間の更新が不要になり、就労制限もなくなる

・一方で、在留カードの更新には注意

・「素行善良」「独立生計」「国益適合」の3要件が重要

・在留年数だけでなく、公的義務の履行状況や生活の安定性も厳しく審査

永住許可を取得すると何が変わる?

まず、永住者になることで、どのような点が変わるのかを確認しておきましょう。

一般的に「永住権」と呼ばれることが多いですが、正式には入管法に定められた「永住者」という在留資格です。永住者になることで、日本での生活や働き方の自由度が大きく広がります。

① 在留期限がなくなる(※実務上の注意点あり)

現在の就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」など)では、数年ごとに在留期間更新許可申請が必要になります。一方、永住者になると在留期間が「無期限」となるため、面倒な在留期間の更新手続きが不要になり、長期的に日本で生活しやすくなります。 ただし、在留カード自体の有効期間(交付の日から7年)の更新申請は引き続き必要です。「永住者になったから何もしなくてよい」わけではない点には注意が必要です。

就労制限がなくなる

就労ビザでは、許可された在留資格に該当する活動範囲内でしか働くことができません。しかし、永住者になると入管法上の就労(職種)に関する制限がなくなり、働き方の選択肢が自由に広がります。

日本での生活基盤を安定させやすくなる

永住者は在留の安定性が極めて高いため、住宅ローンの審査などで有利に働く傾向があります。また、将来的なライフプランを立てやすくなることも、大きな変化の一つです。 

※ただし、後述の通り、故意に税金や社会保険料を支払わない場合などは在留資格が取り消されるリスクがあるため、公的義務の継続的な履行が安定した生活の前提となります。

家族の在留にも良い影響がある

配偶者や子どもがいる場合、本人だけでなく家族も「永住者の配偶者等」や「定住者」といった身分に基づく在留資格へ変更できる可能性があります。これにより、家族も就労制限がなくなり(週28時間制限などがなくなる)、家族全体の収入や在留状況の安定につながります。もっとも、家族の在留資格の変更・取得は個別に審査されるため、必ずしも自動的に許可されるわけではありません。

【子どもの在留資格に関する注意点】

配偶者は「永住者の配偶者等」へ変更できますが、子どもについては「出生地」によって該当する在留資格が異なります。

・日本で生まれた子ども:「永住者の配偶者等」に該当します。

・海外で生まれた子ども(母国から呼び寄せた場合など):法律上「永住者の配偶者等」には該当しないため、一般的には「定住者」の在留資格で申請することになります。

【永住ビザの取得は「ゴール」ではありません】

永住者の在留資格を取得すると、就労の制限はなくなり自由度は格段に上がります。 しかし、それは「何をしても許される」という意味ではありません。永住者は「日本社会の安定した一員」として認められた存在だからこそ、これまで以上に法令遵守(ルールを守ること)が求められます。

以下の義務を怠ったり、重大な法令違反を犯したりすると、永住権そのものが取り消されたり、強制送還(退去強制)の対象になったりする可能性があります。

永住者になることは、日本での生活の「ゴール」ではなく、「新しいスタート」です。ビザを取った後も、税金や年金などのルールをしっかり守っていきましょう。

永住許可申請の主な要件

永住許可申請では、単に「長く日本に住んでいる」という事実だけでは許可されません。 入管では、これまでの在留状況や生活状況を総合的に確認した上で、「今後も日本で安定して生活していけるか」「日本の国益に合致するか」という観点から厳格に審査が行われます。 

主な要件は、以下の3つです(※後述の通り、日本人等の配偶者の場合は一部要件が免除されます)。

①素行善良要件

日本の法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることが求められます。 例えば、以下のような点が確認されます。

・罰金刑や拘禁刑などの前科がないこと

・交通違反(スピード違反・駐車違反など)を繰り返していないこと

・在留資格に違反する活動(留学生や家族滞在の週28時間の資格外活動制限オーバーなど)をしていないこと

特に交通違反は、「反則金を払えば問題ない」と考えられがちですが、度重なる違反は審査に悪影響を及ぼし、不許可事由となる傾向があります。

② 独立生計要件

日常生活において公共の負担(生活保護の受給など)にならず、資産や技能から見て将来的にも安定した生活が見込まれることが求められます。 会社員・契約社員・個人事業主など、働き方自体が直ちに問題になるわけではありませんが、継続的かつ安定した収入があるかが重要になります。

【実務上のポイント】 

この要件は「申請人単独」ではなく、「世帯単位」で判断されます。そのため、「年収がいくらあれば必ず許可される」という一律の基準はなく、申請人本人の収入だけでなく、配偶者などを含めた世帯全体の収入や生活状況を踏まえて判断されます。

③ 国益適合要件

その人の永住が、日本社会にとって利益になると認められることが必要です。 

具体的には、以下の点が厳格に確認されます。

・原則として10年以上継続して日本に在留していること 

そのうち、就労資格(※「技能実習」および「特定技能1号」は除く)または居住資格(日本人の配偶者等・定住者など)持って、継続して5年以上在留していることが必要です。

・公的義務を適正に履行していること 

税金、年金、健康保険料について、「最終的に払っているか」だけでなく、「当初の納付期限を1日でも遅れずに支払っているか」が重要なポイントです。

・現在の在留資格が最長期間であること 

通常は「5年」ですが、当面の間は「3年」を有していれば最長の在留期間として取り扱われます。

・罰金刑や拘禁刑などの前科がないこと

【配偶者ビザ・高度専門職などの特例】

永住許可申請には、一定の身分や実績を持つ場合に、原則10年の在留期間が短縮される特例があります。

・日本人・永住者・特別永住者の配偶者:実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ日本に引き続き1年以上在留していれば申請可能です。

・定住者:引き続き5年以上在留していれば申請可能です。

・高度専門職(高度人材外国人):ポイントが70点以上の場合は3年、80点以上の場合は1年の継続在留で申請可能です。

この緩和措置を適用するために必ずしも「高度専門職」の在留資格を現に有している必要はありません。過去に遡って客観的資料によりポイント基準を満たしていたことを立証できれば申請可能です。もっとも、高度人材ポイントの要件を満たしていても、現在の在留期間が「3年」(経過措置)または「5年」でなければ、原則として永住申請はできません。

【免除される要件の誤解】 

法律上、日本人・永住者・特別永住者の配偶者や実子の場合、上記の「①素行善良要件」と「②独立生計要件」については適合が免除されます。しかし、「③国益適合要件」の審査は免除されません。つまり、収入面については一定の緩和がある一方で、税金や年金の未納・遅延、法令違反などがあれば、「国益に合致しない」と判断され、不許可となる可能性があります。全体の公的義務の状況をしっかり整理することが重要です。

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