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公開日:2026年5月15日 | 最終更新日:2026年10月12日
日本で長く生活している外国人の方の中には、「永住者になると何が変わるの?」「永住許可を取るには、どのような条件が必要?」と疑問に感じている方もいるでしょう。
永住者になると、在留期間が無期限となり、入管法上の就労制限もなくなるため、日本での生活や働き方の自由度が大きく広がります。
一方で、永住許可を取得するためには、在留年数だけでなく、収入、年金、税金や社会保険料の納付状況、法令遵守など、さまざまな点が確認されます。
2026年10月1日には「永住許可に関するガイドライン」が改定され、収入や将来の年金など、審査で確認されるポイントがより具体的に示されました。
この記事では、永住者になると何が変わるのか、永住許可申請ではどのような要件が確認されるのかをわかりやすく解説します。
・永住者になると、在留期間の更新が不要になり、就労制限もなくなる
・一方で、在留カードの有効期間更新や公的義務の履行には注意
・「素行善良」「独立生計」「国益適合」の3要件が重要
・在留年数だけでなく、世帯収入・将来の年金・税金や社会保険料の納付状況も確認される
① 在留期間の更新が不要になる
「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格では、在留期間が定められているため、引き続き日本に在留するには在留期間更新許可申請が必要です。
一方、永住者になると在留期間は「無期限」となるため、在留期間の更新許可申請は不要になります。
ただし、在留資格そのものに更新期限はありませんが、在留カードには有効期間があるため、在留カードの有効期間更新申請は必要です。
2026年6月14日以降に交付される永住者の在留カードは、18歳以上の場合は交付の日後の10回目の誕生日まで、18歳未満の場合は交付の日後の5回目の誕生日までが有効期間となります。
「永住者になれば、今後一切更新手続きがなくなる」というわけではない点には注意しましょう。
② 就労制限がなくなる
就労資格で在留している場合は、その在留資格で認められた活動の範囲内で働く必要があります。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」で在留している方は、この在留資格に該当する仕事に従事することが必要です。
永住者になると、入管法上の就労活動の制限がなくなります。
そのため、職種を変更したり、転職したり、会社員から個人事業主になるなど、働き方の選択肢が広がります。
③ 日本で長期的な生活設計をしやすくなる
永住者は在留期間が無期限であるため、在留資格の更新時期を気にせず、日本で長期的に生活していくことができます。
仕事や家族、住居などについても、中長期的な生活設計を立てやすくなることは、永住者になる大きなメリットの一つです。
④ 家族の在留資格にも影響する
本人が永住者になることで、配偶者や子どもが「永住者の配偶者等」や「定住者」といった身分に基づく在留資格へ変更できる場合があります。
ただし、本人が永住者になったからといって、家族の在留資格が自動的に変わるわけではありません。
家族それぞれについて、該当する在留資格の要件を満たしているかが個別に審査されます。
例えば、永住者等の子として日本で出生し、その後引き続き日本に在留している場合は、「永住者の配偶者等」に該当します。
一方、海外で出生した子どもについては、永住者の扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子など、一定の場合に「定住者」に該当することがあります。
【永住許可を取れば「何もしなくてよい」わけではない】
永住者になると在留期間や就労活動に関する制限は大きく減りますが、日本で生活するうえでの法律上の義務がなくなるわけではありません。
永住者になった後も、税金、公的年金、健康保険料などの公的義務を適正に履行し、入管法上必要な届出などを行う必要があります。
また、2027年4月1日からは、故意に公租公課を支払わない場合や、入管法上の一定の義務を正当な理由なく履行しない場合などが、永住者の在留資格取消事由となります。
ただし、取消事由に該当した場合に一律に永住者の在留資格が取り消されるわけではありません。違反の内容や経緯、本人の事情などを踏まえて個別に判断されます。
永住許可を取得した後も、日本の法律やルールを守り、公的義務を適正に履行していくことが重要です。
永住許可は、日本に長く住んでいれば自動的に認められるものではありません。
主に次の3つの要件が審査されます。
① 素行善良要件
日本の法律を守り、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活をしていることが求められます。
例えば、刑罰を受けたことがないか、在留資格に反する活動をしていないか、資格外活動許可の範囲を超えて働いていないかなどが確認されます。
また、過去に「留学」や「家族滞在」の在留資格で在留し、資格外活動許可を受けてアルバイトをしていた場合には、週28時間以内などの制限を守っていたかも確認されます。
② 独立生計要件
日常生活において公共の負担にならず、現在および将来にわたって安定した生活を送ることができると認められることが必要です。
会社員、契約社員、個人事業主など、働き方そのものだけで判断されるわけではありません。
収入、資産、技能、生活状況などを総合的に確認して判断されます。
年収は「日本人世帯の平均収入」が一つの基準
独立生計要件は、原則として申請人本人だけではなく、申請人と生計を同じくする世帯を単位として審査されます。
2026年10月1日改定の「永住許可に関するガイドライン」では、現在および将来において自活でき、日本人と同等水準以上の経済条件を有していることが求められています。
収入については、原則として、申請時点で、申請人が属する世帯の年収が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかが考慮されます。
ただし、「年収○万円以上であれば必ず許可される」という一律の金額基準が定められているわけではありません。
世帯人数や家族構成、収入の継続性などを含めて判断されます。
2027年4月以降は将来の年金も考慮される
2027年4月1日以降の申請では、将来受け取ることが見込まれる年金額も独立生計要件の考慮要素となります。
申請時点の年齢、これまでの年金加入期間、加入期間中の収入、現在の年収などをもとに、将来の年金受給見込額が確認されます。
将来の年金受給見込額が十分でない場合でも、不足する生活資金を補うことができる金融資産を有している場合には、その資産も考慮されます。
そのため、永住許可申請では、現在の年収だけではなく、将来も安定した生活を続けられるかという視点が重要になります。
世帯年収に関する新しい基準は、2026年4月1日以降に申請し、2026年10月1日時点でまだ審査中だった案件にも先行して適用されます。
将来の年金受給見込額に関する新しい基準は、原則として2027年4月1日以降の申請から適用されます。
③ 国益適合要件
永住することが、日本国の利益に合すると認められることも必要です。
国益適合要件では、在留年数、公的義務の履行状況、現在の在留期間などが確認されます。
原則として10年以上日本に在留していること
原則として、引き続き10年以上日本に在留している必要があります。
さらに、そのうち、就労資格または居住資格をもって引き続き5年以上在留していることが必要です。
ただし、「技能実習」と「特定技能1号」で在留していた期間は、この5年間の就労資格の期間には含まれません。
税金・年金・健康保険料は「期限内納付」が重要
税金、公的年金、公的医療保険料などについては、申請時点で未納がないことだけではなく、当初の納付期限内に適正に支払ってきたかも確認されます。
申請時点ですべて支払い済みであっても、過去に当初の納付期限を過ぎて納付している場合には、原則として消極的に評価されます。
永住申請を考えている場合は、申請直前だけではなく、日頃から納付期限を守ることが重要です。
現在の在留資格について最長の在留期間を有していること
永住許可申請では、現在有している在留資格について、最長の在留期間を有していることも求められます。
2027年3月31日までに申請する場合は、在留期間「3年」を有する場合でも、最長の在留期間をもって在留しているものとして取り扱われます。
2027年4月1日以降に申請する場合は、
・2027年3月31日時点で「3年」の在留期間を有しており、
・2027年4月1日以降の初回の永住許可申請で、
・かつ、その3年の在留期限までに処分を受ける場合に限り、
「3年」でも最長の在留期間として取り扱われます。
制度変更の時期にあたるため、申請時期には注意が必要です。
永住許可には、原則10年の在留期間を短縮できる特例があります。
2026年10月1日改定のガイドラインでは、実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ日本に引き続き3年以上在留している場合に、原則10年の在留要件の特例が適用されます。
この改定後の基準は、原則として2027年4月1日以降の永住許可申請から適用されます。
「定住者」の在留資格で引き続き5年以上日本に在留している場合には、原則10年の在留要件の特例が適用されます。
高度人材ポイントが70点以上の場合は3年、80点以上の場合は1年の継続在留により、永住許可申請の対象となる場合があります。
この特例は、必ずしも現在「高度専門職」の在留資格を持っている方だけが利用できるものではありません。
「技術・人文知識・国際業務」などの別の在留資格で在留している場合でも、申請時点と、特例に応じて1年前または3年前の時点で必要なポイントを有していたことを客観的な資料で証明できれば、特例の対象となる場合があります。
日本人、永住者または特別永住者の配偶者や子については、法律上、「素行善良要件」と「独立生計要件」への適合は求められません。
ただし、「国益適合要件」まで免除されるわけではありません。
そのため、税金、年金、健康保険料などの公的義務の履行状況や、入管法上の義務を守っているかなどは引き続き確認されます。
「日本人と結婚しているから必ず永住許可を取得できる」「配偶者なら収入や税金について確認されない」ということではありません。
自分にどの特例が適用されるのか、どの要件が審査対象となるのかを整理した上で準備することが大切です。
永住者になると、在留期間が無期限となり、入管法上の就労制限もなくなるため、日本での生活や働き方の自由度が大きく広がります。
一方、永住許可申請では、在留年数だけではなく、収入、将来の年金、税金・年金・健康保険料の納付状況、法令遵守など、多くの点が確認されます。
特に2026年10月1日のガイドライン改定により、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入や、将来の年金受給見込額など、経済的な安定性についての考え方がより具体的に示されました。
また、2026年から2027年にかけては、新しいガイドラインの適用時期や最長在留期間の経過措置など、申請時期によって取扱いが異なる点もあります。
永住許可申請を検討する際は、現在の在留資格や在留年数だけでなく、収入、公的義務の履行状況、家族構成などを確認し、自分に適用される最新の基準を確認した上で準備を進めることが重要です。
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