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公開日:2026年7月23日 | 最終更新日:2026年7月23日
・留学生が就職するには、「留学」から「技人国ビザ」への変更が必要
・審査では「仕事内容」「学歴・職歴との関連性」「会社の状況」の3つが重要
・職種名ではなく、実際の仕事内容が専門的かどうかで判断される
・オーバーワークや許可前の就労は、不許可の原因になることがある
・仕事内容を具体的に説明し、専門性を示すことが許可へのポイント
日本の大学や専門学校を卒業して日本で就職する場合は、「留学」から就労できる在留資格へ変更する必要があります。その中でも、多くの留学生が利用するのが「技術・人文知識・国際業務(技人国)」です。
この記事では、技人国ビザの基本的な仕組みと、入管がどのようなポイントを確認しながら審査を進めるのかを解説します。
日本の大学や専門学校を卒業して、日本の会社に就職する場合は注意が必要です。「留学」の在留資格(日本に住むための資格)のままでは、正社員として働くことはできません。
就職するときは、仕事の内容に合った在留資格(働くための資格)へ変更する必要があります。留学生が就職するときに、広く利用されている在留資格が「技術・人文知識・国際業務」です。一般には、「技人国(ぎじんこく)ビザ」や「就労ビザ」と呼ばれています。
しかし、会社から内定をもらっただけで、技人国ビザが自動的に許可されるわけではありません。入管(出入国在留管理局)は、次のようなポイントを総合的に審査します。
・仕事内容が技人国ビザの対象か
・学歴や実務経験が仕事と関係しているか
・給与や雇用条件に問題がないか
・会社が外国人を受け入れる体制を整えているか
【ポイント】「内定をもらった=就労ビザが許可される」ではありません。入管は、仕事内容・本人の経歴・会社の状況を総合的に確認して判断します。
この記事では、留学生が技人国ビザへ変更するときに知っておきたい基本を、実際の審査の流れに沿って分かりやすく解説します。
「留学」は、日本の大学、大学院、専門学校、日本語学校などで勉強するための在留資格(日本に住むための資格)です。
そのため、卒業後に日本の会社で働く場合は、仕事の内容に合った就労ビザ(働くための在留資格)へ変更する必要があります。
在学中は、資格外活動許可(アルバイトをするための許可)を受けていれば、決められた範囲でアルバイトができます。
しかし、この許可は卒業後に正社員として働くためのものではありません。
【注意】学校を卒業した時点で、資格外活動許可の効力はなくなります。
在留期限が残っていても、原則としてアルバイトはできません。
また、在学中にオーバーワーク(許可された時間を超えて働くこと)をしていた場合も注意が必要です。
資格外活動許可では、原則として週28時間以内のアルバイトしか認められていません。
この時間を継続して超えて働いていたことが分かると、在留状況(日本での生活やルールの守り方)が良くないと判断されることがあります。
その結果、就労ビザへの変更申請が不許可になる可能性があります。
・卒業後は資格外活動許可では働けない
・アルバイトは原則週28時間以内
・オーバーワークがあると審査で不利になる可能性がある
就職するときは、原則として地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請(在留資格を変更する手続き)を行います。
申請が許可され、新しい在留カードを受け取ってから勤務を開始します。
許可が出る前にフルタイムで働くことはできません。
【重要】許可前に働き始めた場合は、本人が資格外活動違反(不法就労)となる可能性があります。また、会社も不法就労助長罪に問われる可能性があります。
入社日は、必ず就労ビザの許可日との関係を確認しましょう。
技術・人文知識・国際業務(技人国)は、日本の会社などと契約して、専門的な知識やスキルを使う仕事をするための在留資格(働くための資格)です。
対象となる仕事には、次のようなものがあります。
・システムエンジニア
・機械設計
・経理
・マーケティング
・企画
・貿易実務
・通訳・翻訳
・語学講師 など
ただし、職種名だけで判断されるわけではありません。
入管が最も重視するのは、実際に毎日どのような仕事をするのかです。
たとえば、雇用契約書に「通訳・翻訳」や「店舗管理者候補」と書かれていても、実際の仕事の多くが次のような業務である場合は注意が必要です。
・レジ業務
・配膳
・清掃
・商品の陳列
・その他の反復的な作業
【重要】 技人国ビザでは、職種名ではなく実際の仕事内容が審査されます。
専門的な仕事よりも、現場での単純作業が中心と判断された場合は、技人国ビザに当てはまらない(該当性が認められない)として、不許可になる可能性があります。
最初に確認されるのは、就職先で行う仕事が技人国ビザの対象になるかです。これを在留資格該当性といいます。
在留資格該当性とは、予定している仕事が、法律で定められた活動の範囲に入っているかを判断することです。
技人国ビザでは、大学や専門学校などで学ぶような、学問的・体系的な専門知識を必要とする仕事であることが基本です。
一方、特別な専門知識を必要としない現業や反復作業が中心の場合は、技人国ビザの対象になりません。
入社直後の現場研修は認められる場合がある
入社直後に、現場での実務研修やOJTを行う場合があります。
このような研修が含まれていても、次の条件を満たせば、合理的な研修として認められる可能性があります。
・日本人の新卒社員などにも同じ研修が行われる
・会社のキャリアステップの一部として実施される
・採用直後の限られた期間に行われる
・将来想定される在留期間の大半を占めない
【重要】
現場研修があるだけで、直ちに不許可になるわけではありません。
ただし、研修の対象者、期間、目的、その後の配属先を具体的に説明する必要があります。
職務内容は具体的に説明する
申請書類の職務内容が曖昧だと、審査官から「実際は現業や単純作業が中心ではないか」と疑われる可能性があります。
たとえば、次のような書き方は仕事内容が不明確です。
避けたい表現
・通訳を兼ねたホテルのフロント業務
・店舗管理、レストランの接客
これらの表現では、専門的な業務と接客などの現場作業の割合が分かりません。
技人国ビザの対象となる仕事を、より具体的に説明する必要があります。
具体的な記載例
・外国人観光客への翻訳・通訳業務
・海外予約サイトの多言語管理およびマーケティング分析
・外国人宿泊客のニーズを反映した宿泊プランの企画立案
・外国人スタッフへの接遇指導およびシフト・労務管理業務
このように、実際に担当する専門業務を分けて記載すると、仕事内容を説明しやすくなります。
長期間の単純作業は研修と認められにくい
職種名が「店舗管理」であっても、実際には数年間にわたり、レジや配膳などに従事する計画であれば注意が必要です。
特に、現場業務の終了時期が決まっていない場合は、短期間の研修ではなく、単純作業を担当する計画だと判断される可能性があります。
また、現場研修が外国人社員だけに課され、日本人社員には行われていない場合も注意が必要です。
不許可につながりやすい例
・レジや配膳を数年間担当する予定である
・現場研修の終了時期が決まっていない
・外国人社員だけに現場研修を課している
・研修後に担当する専門業務が明確になっていない
このような場合は、全社員に共通する合理的な実務研修とは認められず、在留資格該当性がないとして不許可になる可能性があります。
仕事内容が技人国ビザの対象と判断されたら、次に学歴や職歴が仕事と合っているかを審査します。これを基準適合性といいます。
基準適合性とは、法律で定められた学歴・職歴などの基準を満たしているかを確認する審査です。
大学・大学院を卒業した場合
大学、大学院、短期大学を卒業した人は、専攻と仕事内容の関連性が比較的柔軟に判断されます。
専攻名と職種名が完全に一致している必要はありません。
大学で学んだ知識を、仕事でどのように活かすのかを合理的に説明できれば、許可される可能性があります。
日本の専門学校を卒業した場合
日本の専門学校で専門士または高度専門士の称号を取得した場合も、技人国ビザの対象になる可能性があります。
ただし、大学卒業者よりも、専攻内容と仕事内容の関連性が厳しく審査されます。
一方で、文部科学大臣が認定した留学生キャリア形成促進プログラムを修了した場合は、専攻と仕事内容の関連性が柔軟に判断されます。
【注意】
海外の専門学校や、日本の専門学校に相当する外国の教育機関を卒業しただけでは、技人国ビザの学歴要件を満たしません。
学歴要件を満たさない場合
大学や日本の専門学校を卒業していない場合でも、一定期間の実務経験によって要件を満たせる場合があります。
原則として、必要な実務経験は次のとおりです。
・技術・人文知識分野:10年以上
・国際業務分野:3年以上
ただし、大学卒業者が翻訳や通訳などの国際業務に従事する場合は、実務経験は必要ありません。
また、技能実習や特定技能として働いた期間は、原則として技人国ビザの実務経験には含まれません。
IT技術者の特例
システム開発などのIT業務に従事する場合は、例外があります。
法務大臣が指定する情報処理技術者試験(IT告示)に合格していれば、学歴や実務経験の要件が免除される場合があります。
対象となるのは、日本の試験だけではありません。
ベトナム、中国、フィリピンなど、相互認証の対象となっている国のIT試験も含まれます。
技人国ビザでは、本人の学歴や仕事内容だけでなく、会社や雇用契約に問題がないかも審査されます。
日本人と同等以上の給与が必要
給与は、同じ仕事をする日本人と同等額以上であることが必要です。
外国人であることを理由に、日本人より低い給与を設定することは認められません。
同じ会社に日本人の新卒社員がいる場合は、その社員と同等以上の給与が支払われるかも重要な判断材料になります。
【注意】
外国人だからという理由で不当に低い給与を設定すると、技人国ビザが不許可になる可能性があります。
会社が継続して雇用できるか
入管は、会社が外国人を安定して雇用できるかも確認します。
例えば、次のような点が審査されます。
・実際に事業を行っている会社か
・安定した売上や資金があるか
・申請した仕事内容に十分な業務量があるか
・継続して雇用できる見込みがあるか
設立したばかりの会社や、赤字が続いている会社でも、すぐに不許可になるわけではありません。
ただし、その場合は、今後の事業計画や売上の見込みなどを詳しく説明する資料の提出を求められることがあります。
専門家が作成した事業計画書を提出することで、会社の継続性や安定性を説明しやすくなる場合もあります。
【実務上のポイント】
会社の規模だけで許可・不許可が決まるわけではありません。
入管は、外国人を継続して雇用できる根拠があるかを総合的に判断します。
今回は、技人国ビザの基本的な仕組みや、入管がどのような流れで審査を行うのかについて解説しました。
技人国ビザでは、「仕事内容」「学歴・職歴との関連性」「会社や雇用条件」の3つが重要な判断ポイントとなります。これらを正しく理解しておくことが、スムーズな申請につながります。
制度の基本を理解しておくことで、就職活動や在留資格変更の準備を進める際にも、何を確認すべきかが見えやすくなるでしょう。
川口市で技術・人文知識・国際業務ビザの申請をご検討の方は、川口市の就労ビザ申請ページもご覧ください。
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